さーふぇす・らいふ

「考えること」を考えてみたいと思ってます。でも、考えを進める速度はカメより遅いかもしれない。

川上未映子さんの恋愛小説は自分的にはあわなかった件

川上未映子さんの恋愛小説、「すべて真夜中の恋人たち」、
本人がトークショーで言ってたけど、すべてと真夜中の間に
助詞をあえて入れていないので、「すべての」「すべては」
とか読者がいろいろ自由にタイトルを置き換えられるとのこと。

自分のような凡庸な読者は、あっほんとだ、すべての真夜中の
恋人たちじゃないんだとか、言われてから気がつく始末なので
スペックが低くてスイマセン。 (わら)

川上未映子さんの人間の根っこのことを書いている小説や、
初期のエッセイはものすごく好きで、ファンではあるけど
最近のエッセイはちょっと普通だなあって思ってて、小説の
方は「ヘブン」あたりから読んでない。なので「すべて真夜
中の恋人たち」も読んでなかった、でも、詩集「水瓶」は読
んでるので、ファンではあるけど、すべての作品がスキでは
なくなってきたのかな。

理由は、たぶん、自分の内側のことを書く作家さんなので、
恋愛とか外向きのものはどうなのかって思っていたんだけど、
実際パラパラと読んでみて、やっぱりダメ。

恋愛小説の場合は、2人で何かを生むような内容のストーリー
でないと自分的にはダメなので、最初の方を読んだけど、多分
この先も何も生まれそうにないってわかった時点で、この小説
は自分的には受け入れられないって感じになった。

初期のよしもとばななさんの漫画チックなエンディングとか、
江國香織さんのような(少なくともある時点までは)バラ色の
恋愛みたいな感じを求めているんだろうね。

川上未映子さんが悪い訳ではないけど、リアルな題材の場合、
その人の求めているものと合わないとダメだけど、まあ、洋服の
好みとか、食べ物の嗜好とかと同じだよね。本も商品なので
しょうがないんだろうね。

そうだ、最初に書こうって思った時には、音楽と比べようって
思ってたんだ。DE DE MOUSEさんっていう自分が好きなミュー
ジシャンの人がいて、初期の作品では女の人の声をサンプリング
して作った電子音を音楽に組み込んで使っていて、途中から使わ
なくなっちゃったんだけど、自分的には初期の作品がスキであり、
でもいつまでも飽きないかどうかっていうとそれはわからない。

それと同じだよね。

川上未映子さんが初期の作品は好きだけど、初期のスタイルを崩
さなければ飽きちゃうと思う。なので、変わらなければいけない
けど、変わった作品がスキになるかはわからない。作家さんって
いう商売も大変だよね。

まあ、そんなことを感じたかな。

 

ソニーで奮闘した人の本を読んで、読み取ったことを5つ書き出してみる

「グーグルで必要なことはみんなソニーが教えてくれた」っていう本を読み終えた。
ソニーでVaioやスゴ録、コクーンを立ち上げてグーグルに3年務めたあと、今はベン
チャー企業やってる人の半生を振り返ったような話となっている。

今となっては多少、古い話だけど、いろいろ感じ入るところがあったので、かきだしてみる。


1.人間、何かと戦っているときの話が一番おもしろい。

まず思ったのは、ソニーで社内勢力なんかと闘いながら、Vaioデスクトップを成功に
導いたり、スゴ録を成功させたフェーズはすごくおもしろい。ソニーで奮闘している当時、ソニーは大企業病にかかっていろいろな組織とぶつかり合いながら商品を立ち
上げているが、その時の話が読み物として圧倒的に面白い。

だけど、新しい会社グーグルに勤めた話は、あまり面白くない。

もしかしたら、著者は何かとぶつかると力を発揮するが、新しい、澄んだ水の下だと、著者より若い柔軟な頭脳の方が力を発揮するのかもしれない。

それと、グーグルの話は梅田望夫さんとかでさんざん読んだ既知の内容なので、思い
っきり読み飛ばした。

 

2.ソニーは会社としてのピークを越えてしまった。

ソニーはかつて元気だった時代とすっかり変わってしまったのではないか、ソニー
は、もはや、新しいものを開発できないのではないかって思った。

著書がウォークマンについてコメントしている下りに、携帯プレーヤーがネットと
の連携がウリの時代に、音質だのなんだのと言っているソニーの体質への批判があ
ったが、そういえば、ソニーはまだ、音質だのなんだの言ってるね。

音楽の著作権なんかもソニーは既得権の側にいたので、iPodiPhoneみたいな製品
を作れないんだと思う。

音質とかで買おうかなとか思ったことがないと言えばウソになるが、ノイズキャン
セラーとかワイヤレスイヤフォンとかそのあたり以外にはウォークマンには購買理由
がないよね。

そういう意味で、ソニーはすでに面白い商品を作る会社ではないって思う。

ゲーム産業については別だが、個人的には商品力という切り口だと、任天堂の方が
上手だし斬新だと思う。

 

3.家電メーカーも峠を越えている。

日本では、韓国とかとの液晶テレビの競争力が円安になって、競争力が云々とかっ
て今だに言ってる人がいるけど、液晶テレビは韓国勢の製品もすでに売れていない。
家電というのは、もっと、新しい国の製品にシフトしていて、もはや後戻りできな
い。

だから、アベノミクスのコメントでヨーロッパの国とかが、為替については言及し
ないけど早く産業構造を変えることが大事って言ってるんだよね。

なので、今のソニーとかが家電や音響の分野で息を吹き返すなんてことはないって
思った方がいいのではないかって思う。

 

4.あたりまえだけどグーグルは終身雇用ではない。ソニーもすでにそうなのでは
  ないか。

グーグルに3年勤めたとか書いてあったけど、別の人の本を読んでも外資系のエクセレントカンパニーには3年くらいしか勤めていない人が多いね。この本を読んでそういうのがフツーなんじゃないかなって、頭に浮かんだ。

で、この本を読むと、ソニーも定年まで全うできないのではって思った。

ここについては、頭に浮かんだが、ホントにそうかどうかは知っている人に聞かない
とわからない。

 

5.ソニーもソニーなりにがんばっている

それと、ソニーの中でも日の当たらない部署にいた人を拾い集めて組織を作っている
みたいな話が、頻繁に出てくるので、ソニーも社内でローテーションとか浮き沈みの
激しい会社なんだなって思った。

まあ、今は知らないけど年収1千万とかの会社だし、人材なんかかなり高学歴の人が
多そうなので、仕事もそれなりに大変なんだろうね。

前に、AIBOの開発に携わった人に聞いたけど、ソニーは事業部制になってから、100万台売れない事業部はなくなるとか聞いたけど、ソニーはソニーなりにドラス
ティックな組織改編など行って頑張っているんだと思う。

既に日本企業は家電業界ではピークを越えて潮目が悪いだけ、日本人は真面目なの
で、もちろん、日本の会社も、何にもしていないわけではない。

頑張ってるんだろうね。

 

そんなことを読み取ったかな。いい本だね。

 

マンモス大学の入学式に行ってきた

今日は、息子のマンモス大学の入学式に。息子の行く大学は6大学の一校で全生徒
2万人もいるらしい。午前、午後で半々、武道館で入学式を行った。規模がでかい
入学式。

自分は少数精鋭のミッション系大学(わら)に行ってたので、小規模な入学式だっ
たと思う。けど行った記憶がない。もしかしたら、若い頃は相当な自己中だった
ので、別に行かなくていいやとか思って行ってないかも。(わら)

当時の自分ならやりかねないが、さすがにそれはないか。

マンモス大の入学式は、応援団が大活躍で、6大学野球とかもあるから、チア
リーダーとかもいて、ややコミカルな進行で、でも、日本武道館いっぱいの生徒
父兄を前にしてあがることなく進行している。いやあ、すごい度胸だね。

入場、退場時、旗を持った応援団が先導しているけど、この時の歩き方もなにか
格式ばっていて伝統とかをイメージさせる。歴史とか伝統の重みってやつ?

司会進行の在校生や父兄のOB会のあいさつとか、在校生代表の新入生へのあいさつ
、新入学の1年生代表あいさつ、どれもあがらず立派に努めている。

すごいすごい。自分にはそういう芸当は絶対つとまらない。

それにしても、マンモス大学の入学式はさながら、なにかのショーを見ているよう。
学長の話とか教育関係の話やガイダンスは、退屈だったものの、応援団が絡むパー
トはなんか面白かったなあ。参加してそれなりに楽しめた。

いいものを見せてもらった。ためになった。まあ、そんなとこ。

 

 

 

いろいろ考えて万引きしてばれて返そうとして結局捕まる夢を見た

夢はほとんど見ないんだけど、さっき、久々に見た夢がコレ(わら)

雑誌についたCDをいろいろ考えて万引きして、成功したのになぜか返そうっていろいろトライするんだけどうまくいかなくて、結局お店の人にばれて見つかってしまって悪びれずにあっさり認めるような夢。確信犯だなコイツ。それと、犯罪内容がせこすぎる。(わら)

夢を語るなとかいわれているけど、このブログは顔を知っている知人に教えていない匿名の第四ブログなので、このブログならいいような気がする。

かわいいオネエサンとかとイチャイチャするとか大金持ちになるとかステキな夢がみれないのか自分(わら)

で、なんで、こんな夢見たのか考えたんだけど、ベースになっているのは、最近、自分の中に向かっていろいろトレースしているのと、期が変わって脱力状態になって仕事の納期を勝手に延ばしているいる罪悪感くらいかな。あるいは、制御不能な若手社員との対峙方法がなんとなく見えてきたのでそのあたりとの攻防を愉しんでるせいか。

自分に対しての不満というのは全くない状態なので、欲求不満や犯罪に手を染めるような気持ちは全くない。犯罪の内容もかなりせこいので強烈な感情でもなさそう。

インターネットでググってみると、犯罪を犯す夢を毎日見ている人とか、人を殺しちゃう夢とかすごい夢を見ている人がいっぱいいるみたいね。中にはミュージシャン崩れとかおもしろそうな味のあるキャラの人もいて、悪くない感じ。

夢判断の方は、犯罪を犯す人は、不安定とか、自分を制御できないとか、欲求不満とか直線的に判断するものもあるけど、お金に対する欲が出てくるとか運気が良くなるみたいな指摘をしている夢判断もあって、そっちの方が正解な気がする。

そういえば、今日、早く帰ってラーメンでも食べようとか思ってたけど、3日連続でトラブルに見舞われて帰るのが遅くなったのであきらめて、しょうがないからドラッグストアに行って何か買おうって思ってなにも欲しいものがなくって68円の納豆を一個買った。この辺のつつましすぎる買い物がせこい夢の原体験なのかもしれない。

考えることの「題材」について考えてみた

今の時代は、仕事についていればいちおう飢えたりする心配はないので、生きて行くこと、生活することのためだけにいろいろ考えずにやっていける時代だと思う。生きている実感は薄いかもしれないけど、生活を送るための雑事にすべての時間を奪われたりはしないので、物事を考えるにはいい時代なのかも。

金銭的には右肩下がりではあるけど、まだ余裕がある、時間的なゆとりはもしかしたらこれからさらに増えるかもしれない。

昔から日本人は仕事の熟練度を道などと呼んで高みを目指して行くようなことをしていたので、真面目で仕事を中心に据えた生き方をしているが、生活や仕事を離れて物事を考えることに時間をあてられる今の時代は、むしろいろいろ考えるのには適しているんだと思う。

考える題材・テーマについては、仕事、生活などから切り離された、人間の根っこの部分を考えるのが良いと思っている。根っこって言っても、小難しいことではなく、子供の頃感じた疑問、例えば、なんで男と女がいるのかとか、なんで、空が青いのかとかそういうところを起点として、生きて行く理由のようなものにつなげていくような思索がいいような気がしている。

今言っていることはすべて直観的なものなので、そのあたりも書物を読んで、ヒントを見つけたいって思う。

1日中ぼけーっと縁側で景色でも見ながらとりとめもないことを考えるみたいなのがいいんだよね。

そんなことを考えているんだよね。

 

 

 

絶望名人カフカの人生論をぱらぱらめくってみて

最近、「絶園のテンペスト」っていうアニメを見ていて、アニメの内容については
ふれないけど、アニメの結末がシェークスピアの「ハムレット」になるか、晩年の
作品「テンペスト」になるかみたいなストーリー展開だったり、愛花っていうある
登場人物にとっては美人妹、ある人にとっては美人恋人キャラの女性が、要所要所
でストーリーを暗示するようなフェーズでハムレットやテンペストからシェークス
ピア語録を引用して話が進むので、個人的に「語録」みたいなものに興味を持って
いた。

そんなところが伏線になってこの本を手に取ったんだと思う。

カフカの日記や手紙、小説から引用した語録のような本なんだけど、これがむちゃ
くちゃ面白い。

そもそも語録って、気の利いたことを言おうとして言葉を飾り立てるものだと思っ
ていた。過去、読んだ作品を振り返ってみても、こじゃれたことを言おうとしてか
えって鼻につくような表現を使っている類のものが多かったと思う。

でも、カフカの語録は違う、一言でいうと悲痛な魂の叫びのよう。

ステキさ加減は、読んでみないとわからないと思うが、バックグラウンドとなるカ
フカっていう人について話すと、カフカはものすごく弱くてネガティブな人だった
らしい。弱さからくる絶望感が日常生活で起きる普通のイベントに対して絶望しま
くるさまは、エーなんでみたいな感じでもあり、あまりにも悲観的すぎて、すがす
がしささえ感じてしまうほど。

それでありながら、ミラン・クンデラガルシア・マルケスなどそうそうたる人が
この人なくして20世紀の文学が成り立たなかったなどといっているらしい。

カフカって、朝起きたら虫になっていたとかそんな本書いた人だったよね、ホン
トに?とかいいたくなるけど、この本を読んでみたら納得できる気がしてきた。

もう一点補足しておくと、この本はカフカファンの人が書いたらしいので、文章の
切り取り方(引用する部分)が実にツボを得ていて、カフカに対して愛情を感じる。

世の中には面白い本が眠っているんだね。知らずに過ごすのはもったいないほどの
本だと思う。

おすすめ!

今日は哲学的な視点で日常生活について語っている本を見てみた

今日は中央図書館を1時間くらいブラブラして、哲学コーナーで日常的なことについ
て語っている本を探してパラパラ読んでみた。高校時代に本を1日一冊ぐらい読んで
以来、本っていうのは、パラパラっと断片的に数か所見れば自分が好きな本かどうか
わかる。

結論から言うと、哲学的な視点で日常生活を見ると、あらゆることに、真剣に取り組
んでいかないとダメっぽくなるので、自分の意図していた方向性とは異なってしまう。

自分が目指す方向というのは、日常生活にかかわる部分をできるだけ少なくして、人
の根っこの部分について考えたいっていうことなので、日常的なテーマでは、目指す
方向に向かわないんだねっていうことに気がついた。

とりあえず、絶望名人カフカの人生論っていう本を借りてきた。

この本の感想については後ほど。